終活は長生きのため

死を見つめることは、生を最後までどう大切に生き抜くか、自分の生き方を問い直すことだ。@アルフォンス・デーケン

『終活』 が話題になる背景には、日本社会の高齢化があります。しかし私たち日本人は「死」と言うものを、生活の中から排除する習慣を選んできました。

 

昔はお葬式は自宅で行い隣近所の方たちが炊き出しをしたりして地域に密着した行事でした。

 

しかし最近は専用のホールで行われるので、

ご近所の方が亡くなったことを知る術がなくなりました。

 

そして、今では「死」に関わる言動自体が「縁起が悪い」と言う、価値観を持つ人が増えたような気がします。

 

しかしそれでいいのでしょうか?

 

上智大学教授であり哲学者でもある、アルフォンス・デーケンさんという方がこのように言ってます。

 

「死を見つめることは、生を最後までどう大切に生き抜くか、自分の生き方を問い直すことだ。」と。

 

年齢を重ねるということは、死に近づいていくということでもあります。

残りの人生をどれだけ充実した時間にするかは、死を通して「生」を考えることなのかもしれません。

 

『終活』は「終」という字を使っていますが、人生の「終わり」ではなく「終わりまで生きる」ことに焦点を当てているのです。

 

当写真室の主宰者である私もあと2年で還暦を迎えます。残された時間をより濃密な時間にしたいと強く思うようになりました。

 

死を真正面から受け取めることが、より充実した人生を長く生きることにつながるのかもしれません。

高齢者夫婦

死が迫ると人は幸福を感じる?

ノースカロライナ大学の心理学者からなる研究チームが「死生観」に関する調査をしました。(@ニューズウィーク日本版)

調査方法は2つのグループに対して行われました

 

  1. 実際に死が目前に迫っている人たち(末期患者、死刑囚)にブログを書いてもらう。
     

  2. まだ死期を意識していない一般の人たちを対象にして、自分が末期患者になった、あるいは死刑囚になったつもりでブログを書いてもらう。

 

結果は

 

  1. 実際に死に直面した人たちの最期の言葉 ➡ 肯定的 「幸福」や「愛」
     

  2. 一般の人たちが想像した最期の言葉 ➡ 否定的 「心配」や「不安や恐怖」

 

 

チームリーダー(カート・グレイ)のコメント


「死が近づいたときの感情は、悲しみや恐怖が多くを占めると考えがちだ。だが実際は、一般の人が想像するように悲しくも恐ろしくもなく、むしろ幸せな気持でいることがわかった」

 

「心身両面において、人間の適応力は驚くほど高い。死が迫っていようと、人は日常生活の営みを続ける。想像の段階では、死は孤独で意味のないものと捉えられがちだ。

 

しかし、実際に死に直面している人たちの言葉は、愛や社会とのつながり、そして生きることの価値に満ちている

 

「死は誰にとっても避けられない。だが恐れることはない。今回の2つの集団を対象とした調査で、実際の死に至る体験は、意外なほど前向きなものであることが判明したからだ」

 

「現在の医療制度は、可能な限り死を避ける方向に特化している。これは主に、死が恐ろしく悲劇的なものだという観点に基づいたものだ。死を否定的に捉える文化的傾向を考えると、この方針は理解できるものではある。

 

だが、今回の研究結果を見る限り、死は一般的に考えられているよりも肯定的なものである可能性がある。

 

死神との遭遇は、思ったほど不吉なことでもないのかもしれない

 

と、研究チームは論文で述べています。

 

(@ニューズウィーク日本版)